ぎんのやみ、あけるまで
ぎんのやみ、あけるまで
| 罪の大地──銀砂流 失われた旧世界の残骸が、 今は微細な銀色の粒子となって大地を埋め尽くす、 不毛の砂漠。 その下で大地は、 長いまどろみに浸りながら、 緑の草原を、 深い森を夢見ているのだと 人々は昔語りに語る…… |
| T．銀砂流 ぎんさりゅう |
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の無い朔日［ついたち］の夜だったが、満天の星明かりが銀砂流を淡く照らしていた。 幽かな風に混じって、透明な口笛の音が響いている。 口笛の主は小柄な男だった。風除け布［ブルクー］を目深にかぶって、ゆっくりと歩を進めてゆく。静かに吹き続ける口笛は、不思議な抑揚の旋律を繰り返していた。 彼は風除け布の下で、そっと目を伏せた。 ――いつも、少しだけ間に合わない…… そこには幾つもの無惨な亡骸が散らばっていた。 流された血は、既に跡形もなく銀砂が吸い尽くし、青白く透き通る亡骸たちは、ふと、ぞっとするほどの美しさを見せる。息絶える瞬間の苦悶を刻んだ表情も、腹からはみ出したままの内蔵さえも、それがかつて生きた人間の肉体だったことさえ考えなければ、一種、異様なまでの美を宿すカタチだった。 風除け布の縁で、金色の髪が風に揺れた。軽く伏せたままの瞳は、心の内を深くしまい込み、何も語りはしない。小柄な彼の肩先には、確かにある哀しみが揺れていたが、それがどんな哀しみなのか、他人には伺い知ることは出来なかった。 少年というには年老いた表情をし、かといって大人と呼ぶには、人としての何かが欠けたまま凍り付いたような、奇妙な存在感……。 ふいに、彼は口笛を途切らせた。 微かな呼吸音が、身近に聞えたのだ。 彼は大きな亡骸の脇にそっと片膝をついた。両手で亡骸を押しやると、その下に、一人の幼い少女が倒れていた。 ――息がある……！ ケガは……大丈夫だ、気を失ってるだけだ！ 彼の瞳が輝いた。男の亡骸の下から少女を引きずり出すと、彼は自分の膝に少女の頭を乗せ、顔にこびり付いた血痕を、丁寧に布で拭ってやった。 ──少し待ってもらうしかないな、あちらさんには。……この子を放っては行けまい。 目を覚まさずにいる少女に膝を貸したまま、彼はそっと腰帯の間から竹笛を取り出し、静かな旋律を奏で始めた。 ――出来ることなら、いつまでも眠っているがいい……目覚めて見る世界は、楽園［フィルダウス］ではないのだから…… |
女は夢見ていた。 ほんの先ほどまで、毛長馬の背で揺られていた時の情景だ。 暮れ始めた銀砂流を渡るキャラバンの中程で、少女は遠い山並みを眺めていた。きっちりと編み込んだ濃い色の髪。つぶらな黒い瞳と勝ち気そうな眉は、活き活きとして表情豊かだ。 「もうすぐ？」 焦茶の毛長馬の背で、少女は呟いた。同じ鞍に乗って少女を抱えるようにしていた中年の男が、頷く。 「ああ、暗くなるまでには山地に着けるさ。そうしたら、お前の叔父さんが住んでるカールマルの西まで、山越えをしてすぐだ。きっと叔父さん、アルモナのことを今か今かって待ちかねてるぞ」 まだ十歳にはならないだろうアルモナという名の少女は、真っ直ぐに前方を見やった。 夕日に映える西の空を背景に、なだらかな山並が連なって見える。銀砂流は微かに赤みを帯び、吹き抜ける風に揺らめいて見えた。 「……そしたら、みんなともお別れだね」 アルモナは、一列に並んで毛長馬を進める隊商の面々に、ぐるりと視線を投げかけた。 先頭を行く無口な隊長は、思慮深そうな口ひげを蓄えた、頼りになる旅の商人。 そのすぐ後ろに続くのは、隊長の片腕、まだ若いコリン・ナシール。里で待っている奥さんに、来月には赤ちゃんがうまれる。 おいしいコーヒーをいれてくれる料理人のカシーニ。 一番身体が大きいくせに、ちょっと喋るだけで顔中が真っ赤になる恥ずかしがりやのダール。 隊列のしんがりをつとめる二人は若い荷負い人で、ナリスは母さんが肺を病んでて、シンファには五人の弟妹がいる。 そしていつも一緒の馬に乗せてくれた、冗談ばかり言っているドルファ。ドルファとアルモナによくなついている焦茶の毛長馬の名は、ギンカ。東方の方言で、雪のことだという。鼻面に雪のような白い模様があるからだ。 アルモナは隊商の面々を見回しながら、どうかこの旅が彼らに多くの財を恵んでくれますようにと願った。故郷の邑からここまで、聖北行路を辿る旅は、まだほんの十日ほどだったが、隊商の人たちとはもう、家族のような気持ちになっていた。 アルモナの背中で、ドルファの腹が揺れる。 「なぁに、また会えるさ。カールマルのあたりは、商売でよく通るからさ、その時には手紙で連絡するよ。きっとまた会えるさ」 「うん……」 カールマルの山地に着けば、市場［スーク］で荷をさばきながら人里での旅が続く。銀砂流を渡るときのような危険は、とりあえず終わるのだ。日暮れまでに人里に辿り着きさえすれば、野獣や盗賊どもに襲われる心配はなくなるはずだった。 隊商の誰もが、心の浮き立つ思いで前方の山並を眺めていた ……そして、不幸は当たり前のように襲い来る。 先頭を行く隊長が、最初に異変を察知した。左手前方に立ちのぼる砂煙に気付いたのだ。 「止まれ！」 隊長は片手をあげて隊列を止めると、じっと砂煙を見つめた。 暮れ始めた銀砂流の中、大地の影の濃淡に添うようにして、砂煙は近付いてくる。 「隊長、これは……」 鐙［あぶみ］に立ち上がるようにしてその方角を見ていたコリン・ナシールが、低く呟いた。隊長は黙って頷き、次の命令を下す。 「全速力で逃げろ！ 二手に分かれるんだ！」 隊は半々に分かれて、一方は隊長とともに真っ直ぐ西へ、もう一方はコリン・ナシールと北西の方角へと駆け出した。荷を負わせた驢馬たちは、ナリスとシンファが大慌てで綱を解いて、てんでについてくるに任せる。 アルモナとドルファは、コリン・ナシールと一緒に北西に向かってギンカを走らせた。 「しっかり掴まってろよ、アルモナ」 言われるまでもなく、アルモナはぎゅっと目をつぶって鞍にしがみついていた。 が、隊が二手に分かれて間もなく、右手の砂丘の影から、野盗の別の一団が馬に乗って飛び出してきた。 「待ち伏せか！」 コリン・ナシールが叫ぶのが聞えた。 十人ほどの野盗の一味が、手に手に抜き身の剣を振り上げて襲いかかる。コリン・ナシールも剣を抜き、最前列に躍り出て、皆の退路を確保しようと囮になる。シンファもそれに続いた。 ドルファは激しく手綱を引き、ギンカの腹を蹴って、なんとか逃げ道を探そうと右往左往している。カシーニの鞍にぶら下がっている鍋が、カンカンと場違いに陽気な音を立てている。 別方向に逃げた隊長たちも、すぐ近くでもう一方の野盗の一団に追付かれていた。 野盗たちは巧みにアルモナたちを囲い込み、追いつめた。隊長たちも結局、追われるようにしてアルモナたちの方へと押し戻されてきた。 血走った目をした巨体の野盗が、コリン・ナシールの馬に飛掛かった。二人はそのまま馬から落ち、銀砂の上を転がる。 そして野盗の剣が、コリン・ナシールの喉を貫いた。ガッと血を吹き出して、息絶える。 別の一人が、隊長の馬に襲いかかる。鋭い剣を受けて、隊長は肩から血をほとばしらせながら落馬した。 堰を切ったように、野盗たちは次々に馬上から飛び、襲いかかってくる。 ドルファとアルモナも馬から落とされ、砂上を転げた。ドルファはアルモナを抱えたまま、必死に逃げようともがいた。 しかし、その背中を野盗の剣が切り裂く。 どっと地面に投げ出されたアルモナは、次の瞬間、顔を上げた。ザァッという音とともに、血しぶきが降り注ぐ。熱いほどのドルファの血が、鼻腔にも、唇にも張り付く。 微かに生臭い、鉄の味がした。 アルモナは、赤く染まった視界が急速にぼやけていくのを感じた。そしてそのまま、力尽きたように銀砂に倒れ、目の前が真っ暗になった。 ──みんな……みんな……！ アルモナは必死に叫ぼうとした。だが舌は鉛のように重く口の中に張り付いて、声が出ない。 ──悪い夢消えろ！ 悪い夢、消えろ！ 涙が頬をこぼれ落ちていく。だが涙を拭おうとしても、指先ひとつ、動かすことは出来なかった。 |
と、体が軽くなった。 すぐ近くから、清らかな笛の音が響いていた。アルモナはゆっくりと瞼をあげた。 最初に見えたのは、満天の星空。 淡い光の天河［てんが］が、緩やかにうねりながら彼方へと続く。 そしてどこまでも延びてゆく、透明な音色。 繰り返す、もの哀しい旋律。 月の無い夜に、ひんやりとした夜気が躊躇い［ためらい］がちに震えている。 光の銀粉が、ゆっくりと降り注ぐのさえ見える。 不思議な光景だった。アルモナは、まだ夢の中にいるのかと思った。 ――光の……粉が、降ってる……？ 幻なの……？ 光の銀粉はアルモナの頬にも、投げ出したままの掌にも降っていた。重さも、手触りもなかったが、仄か［ほのか］に温もりを──あるいは温もりの余韻を──感じた気がした。 気が付くと、アルモナは自分が、その人の膝に頭を乗せて横たわっていることを知った。 白っぽい裾長の衣を纏った、姿の美しい青年だった。夢の続きのようにも思えた。 片膝を立て、もう一方の膝にアルモナの頭を乗せながら、その人は小さな横笛を吹いていた。時折、立てている方の膝を揺らすと、足首に巻いた飾り輪［カルカール］の連鈴がシャララ……と神秘な響きで笛の音に寄り添った。 僅かに顔を伏せ、篠竹の横笛に唇を寄せる姿は、どこか人間離れして見えた。 蒼く色褪せた横顔。軽く閉ざされた瞼。 降り注ぐ光の粉に輪郭を滲ませながら、その人は夜の大気のように、吹き抜ける風のように、居るともなくそこに居た。 現実の存在というよりは、まるで消えそうな幻影に近いような……そんな気がした。 その人の吹く笛の音に包まれて、夜は、纏いつく血の匂いを脱ぎ捨てようとしていた。 ――ああ……夢じゃなかったんだ…… 少女は地上に目をやった。 斬殺された人たちの骸［むくろ］が、周り中に投げ出されていた。 馬も荷物も、身につけていた衣さえ、あらかた野盗たちが奪い去ってしまった。 さっきまで息をしていた人たちの亡骸は、今は銀砂流の真ん中で、塵に還るのを待っている。 ――みんな……死んじゃったんだ…。ドルファさんも、隊長さんも、料理人のカシーニも、コリン・ナシールも、ダールもナリスもシンファも……みんな、みんな…… アルモナは、虚ろな瞳でぼんやりと目に入る風景を眺めていた。 知っていた人たちの命無き骸は夜の底に沈み、そして、不思議な仄赤い光の渦に捲かれていた。 ――何だろう……この、赤い……光……？ それに似たものを、アルモナはこれまで目にしたことがなかった。蝋燭も、火種さえもない場所で、確かに赤っぽい光が亡骸を取り巻いている。何が燃えているわけでもない、ただ靄［もや］のように、熱を持たぬ仄赤い光が亡骸を包んでいる。 気付けば、笛の音は先程とは違う旋律を奏で始めていた。 ときおり高い音が混じるので違いが分かるが、それまでと同じように静かに、ゆっくりと繰り返す旋律だった。 透明な笛の音に呼ばれるように、風が集まってきた。 すると、亡骸を取り巻いて淀んでいた赤い光の靄が揺らめき、やがてゆっくりと上昇を始めた。 静かに、根気よく繰り返される旋律の助けを借りて、赤い光は一つの塊となり、夜空へと昇っていく。 高く昇るにつれて、光は赤味を失い、蒼く、次いで銀色になり、最後には透明な光になって、消えた。 夜の底には色褪せた骸だけが残り、ひっそりと、銀色の光の粉が降り積む。 アルモナは横たわったまま、笛を吹く青年を見上げた。 ――誰なんだろう……この人……。人、だよね？ それとも……妖魔［ジン］なの？ こんなに綺麗な妖魔が……いるのかな……？ 青年の唇が、そっと、笛から離れた。 張りつめた夜気に笛の余韻が吸い込まれ、静寂が降りた。 同時に、降り注ぎ続けた銀色の粉が、夜の大気に溶け込むように、かき消えた。 ――あ…… アルモナは身を起こした。 見慣れぬ風除け布［ブルクー］が、肩から滑り落ちた。 外套を盗られてしまった彼女に、青年がかけてくれた物のようだった。 アルモナは白い布を肩に羽織り直した。 何も言わず、瞳を閉じたままの青年を、見つめる。 こんな綺麗な金色の髪をした人を、初めて見た気がした。同じ大気を呼吸している人間とは、とても思えないほどだった。 微風が吹き抜けるだけの、銀砂流の真ん中。 旅人たちが何かを求めて行き交う、聖北行路のはずれ。 満天の星空。 月の無い、夏の始めの朔日。 野盗に襲われた隊商の死体に囲まれて、青年は、ゆっくりと瞼をあげた。 淡い、淡い、宝石のような藤色の瞳だった。こんなに色の薄い瞳で、この人は本当に同じ世界を見ているのだろうか……とアルモナは訝［いぶか］った。 けれど、その色の薄い瞳も、冷たい感じではなかった。どこか、とても懐かしい気持ちさえしてくる。 笛吹きの青年は、小さな声で言った。 「運が良かったな……返り血を浴びて気を失ったおかげで、野盗たちは君が死んでると思ったんだろう」 アルモナは小さな手を彼の頬に伸ばした。 微かな温もりが指先に触れた。 「あなた……妖魔［ジン］じゃないの……？」 青年の口元に微笑が浮かぶ。 「……ただの楽師だよ」 「楽師？」 アルモナは彼の額に目をやった。 「聖都の楽師じゃないんだね……」 聖都、歌聖楽都［カンターリア］で学んだ真の楽師ならば、額には銀色の斑痕が刻まれているはずだ。ましてや聖都の奥義を究めた聖楽師［アンヘル］なら、一目見てそれと分かる美しい斑痕が、額だけでなく頬や腕にもあると聞いている。 青年の額には、傷一つなかった。 もちろん黒い二本線の刺青もないから、聖都の戻り異端でないことも分かる。 少女は首を傾げ、周りに散らばる死体を見やり、それから星空を見上げた。 「……光が降るのが見えたよ。赤い光が、お空に還っていくのも…」 楽師の青年は静かに夜空を仰いだ。 「……命は消えても、殺された人々の意［おもい］や感情は、残され、淀んでしまうことがある。楽師は弔いの歌で、彼らの心残りを最前の音［いやさきのね］に返してやるんだよ」 「最前の…音…？」 「総てがそこから生じ、そこへと還っていくはじまりの源……。楽師はそれを歌うんだよ。存在の音［ネ］……世界の根を……」 アルモナはその口振りに、思わずからかうような口調で呟いた。 「聖楽師［アンヘル］みたいなこと言うんだね……」 青年は微かに笑い返して首を振り、瞳を伏せた。 「……ただの旅の楽師だよ、私は」 どこかしら寂しげな微笑だった。 ――そうだよね、聖楽師さまがこんなところに一人で、お供も連れずにいるはずないもんね…… 不思議なほどに静かな楽師の横顔を、アルモナは少しの間見つめていた。 が、やがて、ドルファや隊長たちの亡骸を見渡し、彼に尋ねた。 「みんな……最前の音へ還っていったの？」 「……ああ」 彼は小さく頷いてから、篠竹の横笛を腰帯にさした。 「……この中に、親はいるのかい？」 アルモナは首を横に振った。 「父さんと母さんは、この春、流行病で死んだの。あたしはこの隊商と一緒に、叔父さんのところに連れてってもらう途中だった」 「そうか……」 彼はアルモナの頭に、そっと手を置いた。 「私の名はリーア。君は？」 素性の分らぬ相手に、やたらと名を明かすものではないことは、アルモナにもよく分っていた。けれど相手が先に名乗ったのだし、どちらにしろ、今はこの人の他に頼るものもない。 アルモナは、まるで誰かが聞いていたらいけないとでもいうふうに、小さな声で名乗った。 「アルモナ」 楽師の青年は優しく微笑んだ。 「……アルモナか、いい名だ。叔父さんのいる邑の名は分るか？」 アルモナは、もちろん、という顔で頷いた。 「分るわ。前に父さんと行ったことだってあるもん。カールマルの西よ」 「そう遠くはないな……」 リーアは静かにアルモナの手を取り、立ち上がった。足首に巻いた連鈴が、涼やかな音色を響かせた。 「あいにく今夜は寄らねばならないところがあるが、その後でも良ければ、一緒に近くの邑まで行こう。そしてカールマルに向かう旅人を探して、君のことを頼んであげるよ」 アルモナは頷きかけて、ふと尋ねた。 「頼んであげるって言っても、私、もうお金ないわ。あなただって……なんか貧乏そぉ…」 「う〜ん……（見抜かれている）」 言葉に詰ったリーアは、しかし、次の瞬間にはニッと笑顔を向けた。 「ま、なんとかなるよ」 ちょっと頼りなげな、情けない笑顔だった。 アルモナは溜息をついて、あんまりあてにできないな……と思った。 見ると、リーアはすでに金銭面の心配は忘れたらしく、涼しげな横顔で星空を見上げていた――――たくさんの亡骸の真ん中で。 ……星を映す、不思議な色の瞳。 銀砂流を渡る夜風が、彼の金色の髪を揺らす。 「寒くないかい？」 リーアの言葉に、アルモナは風除け布［ブルクー］をしっかりと被り、首を振った。 「大丈夫」 言いながら、アルモナは足下に横たわる幾つもの亡骸を見下ろした。 ――良かったね……こんなに綺麗な楽師さんに、お弔いを歌ってもらえてね…… アルモナはきゅっと青年の手を握り、もう一度呟いた。 「……大丈夫だよ」 |
| ★創作ＴＯＰ★ ☆ＨＯＭＥ☆ |
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